天龍源一郎 対 大仁田厚

 4ヶ月前の「1.4東京ドーム」でA猪木と闘った天龍源一郎がFMWの…しかも電流爆破のリングに上がったのは、平成6年5月5日のことでした。

 

 私を含む52000人の大観衆で埋まった川崎球場に「サンダーストーム」の曲が流れ、天龍が登場。あの「邪道リング」へと足を踏み入れたのです。

 天龍源一郎対大仁田厚の「ノーロープ有刺鉄線金網電流爆破デスマッチ」

 

 勿論、私もそうでしたし、きっと観客の是認が目にしたかった光景。それが天龍が優位に試合を進めていた15分過ぎに、現実のものとなります。

 

 天龍が突進しながら放ったラリアットを大仁田がかわすや、勢い余った天龍が金網に激突し、電流が爆破したのです。

 

 もうこれだけで十分でした。試合は23分55秒、天龍がパワーボムからのエビ固めで勝ちましたが、内容は全然覚えていません。

 この試合で私の脳裏に焼き付いているのは天龍の入場と天龍の爆破だけであり、全て専門誌も天龍の爆破の瞬間を表紙にしていました。

 

 電流爆破マッチが行われてまだ4年。爆破の危険度も未知数だった当時に於いて、顔面からまともに突っ込んで被爆した天龍はさすが真のプロレスラーです。

 

「天龍は大仁田に『電流爆破マッチ』だけでなく、『電流被爆レース』でも勝利した」と言えますね。

 

 フィニッシュの直前、天龍が大仁田の髪の毛を掴んで、金網に放り投げて爆破させるシーンがありました。

 

「俺が顔から突っ込んだんだから、お前も行かないでどうする!」的な先輩からの叱咤だったのでしょうか。