A猪木 対 D・F・ジュニア(1970.8.2)

 昭和45年8月2日、福岡スポーツセンターにおいて、NWA世界ヘビー級選手権として、<王者>D・F・ジュニア 対 <挑戦者>A猪木の一戦が行われました。

 猪木にとっては、前年12月の大阪大会以来、2度めの世界挑戦であります。


 前回のドリーとの「大阪・冬の陣」では3本勝負でありながら、60分ノー・フォール・フルタイム・ドローでした。

 

 今回の「福岡・夏の陣」も60分3本勝負。先制攻撃をかけ、まずは1本取りたい猪木は開始と同時に、スタート・ダッシュをかけます。しかし、さすがは「世界」のドリー

 「若獅子」猪木の猛攻をうまくかわしただけではなく、うまく自分のペースへと持っていき、ダブルアーム・スープレックスで猪木をマットに沈め、30分38秒、1本目を先取しました。


 後がなくなった猪木

 優位に立つドリーは2本目も一気に攻め、猪木をコーナーに追い詰めて、エルボー・スマッシュをぶちかまします。


 しかし猪木はショルダー・スルーで形勢逆転し、7分4秒、原爆固めでイーブンに持ち込みました。

 まさに「白いキャンパスに美しい弧を描く人間アートブリッジ」であります。


 3本目は得意のコブラ・ツイストで「世界獲り」を狙いますが、王者ドリーも逃げ切り、またも60分時間切れで決着はつかなかったのでした。


 当時の猪木ファンならずとも「3度めの正直」を期待したんでしょうけど、結局のところ、以後は挑戦すらできなかったのは言うまでもありません。

 

 まあ、その屈辱のお蔭で、その後の猪木伝説があるんでしょうね。