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明るく、楽しく、時々胡散臭く(1)

「全日中継」がゴールデンタイムに復帰する7ヶ月前の事

 

 

忘れもしない1985年3月9日(土)

 


夜7時半からの特番「土曜トップスペシャル」の放送内容は

 

全日プロ・85激闘エキサイティングウォーズ、第14戦

 

こけら落としとなる両国国技館からの

 

実況生中継でした。


メイン・エベントのインター・タッグ選手権で

 

<王者>ジャンボ鶴田、天龍源一郎組に挑戦するのは

 

何と何と日本に初上陸を果たした

 

 あの「暴走戦士」ザ・ロード・ウォリアーズであります。

「史上最強の挑戦者コンビ」の登場に

 

 日本中が注目したこの試合

 

 

午後8時半に開始のゴングが鳴りました。


試合はのっけから、暴走戦士がパワーを見せつけます。

 


アニマルが鶴田を軽々とボディ・スラムで叩きつければ


ホークが天龍を高々とリフトアップし

 

 

豪快なデッドリー・ドライブ


そしてとどめは、アニマルが鶴田をロープに飛ばして、代わったホークがラリアット

 

この連携プレーで7分35秒で3カウント!



ホークのリングインが遅れ

 

ロープから戻ってきた鶴田とのタイミングが合わず

 

ラリアットの当たりも不十分であり

 

テレビで観た感じでは、あまり威力はないように思いましたが

 

巨大な肉の固まりの腕から初めて食らっただけに

 

「怪物」鶴田といえど

 

精神的なダメージも多かったのでしょう。

1本勝負ならば、これでタイトル移動・・・


しかし、この日は3本勝負という試合形式であり

 

鶴龍コンビはルールに救われたのです。

 

 

そして。この段階で時間は8時45分

 

 

残り放送時間は5分程しかなく

 

もし日本側が逆転するとすれば

 

「時間内にはまず終わらないだろうなあ~」

 

と、私は思っておりました。

 


逆に、一気に畳みかけたいウォリアーズ

 

 

2本目はホークが更に、鶴田をフルネルソンに捕えらます。

 


ところが、リング内に入った天龍が鶴田の両足を持ち上げ

 

そのまま突き倒すや、両者倒れてダブル・フォールの形となり

 

3カウント直前に間一髪鶴田が右肩を上げたため

 

2分13秒、鶴田がフォール勝ち


「ええ~!」

 

 

今現在も含め、多分プロレス史上

 

「この日しかないんじゃない!」

 

と思ったフォールの仕方でありましたが

 

ともかく、これで1対1となったのです。

 


すると、ここで

 

勝利だと勘違いしたマネージャーのP・エラリングがリング内に入りました。

 

 

2本目が負けと知ると、判定に納得いかず

 

それを機にウォリアーズが鶴龍に殴りかかり

 

また樋口レフェリーにも暴行を加え

 

樋口氏は大の字に倒れたのです。



このまま失神して起き上がらないのが通常のパターンですが

 

もう放送時間もなく、ノンビリ失神する余裕すらなかった樋口は

 

そのままリング外へと辛うじてエスケープし

 

痛みを必死にこらえながら

 

「反則!反則!」と叫び、ゴングを要請

 

 

つまり3本目の裁定は試合を行わずして、ウォリアーズの反則放棄負け

 

 

要するに、鶴龍コンビが2対1の勝利で、王座防衛を果たした

 

という結果でした。


もう1度、「えええ~!!」と叫んだ私

 

 

何とまあ消化不良で、ストレスのたまる試合展開と結果…

 

 

ゴールデンタイムの特番生中継に於ける

 

最高のカードでのタイトルマッチなのに

 

これでは

 

「残り放送時間に合わせて、急遽シナリオを変えた」のがバレバレ(だと思われても仕方がない)

 

 

まあ新日でも、放送時間ギリギリに延髄蹴りで試合が終わる(終わらせる?)ことは度々ありますが

 

「いくらなんでもこんな展開はありえない。新日ならまず暴動!!全日ファンってホントに温かいなあ~」

 

と、当時は熱く思ったものです。

 

 

 

あっ、それでも

 

今、この試合を観ると「すごく面白い!」ですけどね。

 

 

「別に胡散臭くてもいいんです。明るく楽しいのが全日本プロレスのモットーなのですから」

 

 

・1985年3月9日、両国国技館

◆インターナショナル・タッグ選手権60分3本勝負

<王者組>J鶴田、天龍源一郎(2-1)<挑戦者組>R・ウォリアーズ

①ホーク(7分35秒、体固め)鶴田

②鶴田(2分13秒、体固め)ホーク

③鶴田組(反則放棄)

*鶴田組が王座防衛