明るく、楽しく、時々胡散臭く(11)

我が富山県に全日プロ中継がされていなかった

昭和58年2月末の事


「土曜トップスペシャル」という特番で

全日の試合が放送される事になりました。


当時、中2であった私はテレビ事情もあって

根っからの猪木信者、アンチ馬場であり

この日の学校でも

「俺は絶対、今日も全日は観ない!」

と公言しながらも

内心は打ち切りになった昭和54年3月以来

4年ぶりに観る全日が

楽しみで楽しみで仕方なかったのであります。


さて、この放映は2月25日、愛知県体育館で行われた試合(+馬場の海外試合)で

特に私が注目していたのは

このシリーズに凱旋したザ・グレート・カブキで

この日はT・J・シンとのシングルマッチでした。

まずは暗闇の中を

鎧兜姿でカブキが登場



その兜の下にあった不気味なペイント姿は

今でいうと男・貞子のようであります。


続いて、上田を従えてシンが登場しました。

 

 

いきなり、自分のターバンでカブキを襲ったシン

 

 

 

試合のゴングが鳴ると同時に

すぐに得意のコブラ・クローで締め上げます。


開始から数分、ずっと劣勢状態であったカブキですが

失神するどころか、自らの手を高く掲げるや

ここから反撃を開始

 

トラースキックで流れを変え


左からのアッパーカット


そして、緑の毒霧を吹きました。



しかしシンも怯まず

 

ここぞという時の秘密兵器であるブレーン・バスターを見舞うと

カブキはネック・ブリーカ-でお返し


最初は元新日である「シンに勝ってほしい!」

と思っていた私でしたが

いつの間にやら、カブキを応援していました(笑)


こうして一進一退の攻防を繰り広げたものの

結局は両者反則の裁定に終わったのです。

この日の放送を見て

「全日も結構面白い!また次も絶対見たい」

と思った私


勿論、翌週の学校では、今更そんな事言える筈もなく

ずっと黙っていたのでした。


ちなみに、次回富山県で全日が放送されたのは

半年後の同年8月31日、蔵前国技館で行われた

テリー・ファンクの引退試合であります。