明るく、楽しく、時々胡散臭く(18)

83世界最強タッグ決定リーグ最終戦となった

1983年12月12日、蔵前国技館では

G・カブキがR・フレアーのNWA世界王座に

挑戦する試合も組まれておりました。

当年2月に逆上陸を果たし

日本でも一大ブームを巻き起こしたカブキ


ここ蔵前のリングで

「東洋のカブキ」から名実ともに

「世界のカブキ」になることができるか?

世界を股に掛け、王座防衛を続けている

百戦錬磨のフレアーにしても

非常に不気味な相手と言えるでしょう。

試合前に、緑の鮮やかな毒霧を吹いたカブキは

 

両手10本の指の第一関節を曲げるや

フレアーの背後から、クロー攻撃で苦しめました。


緑に変色したカブキの両手は

フレアーの首だけでなく

胃袋をも鷲掴みにします。

そして、アッパーブロー、正拳突き、トラースキックと

 

得意の流れに持っていきますが


老獪なフレアーは

バックドロップで逆転し

4の字固めでギブアップを狙います。


しかしこれは、カブキの両手がロープを掴んだため

ブレークとなるも

フレアーは認めません。

その後、逆上したフレアーがレフェリーに暴行し

カブキの反則勝ちとなったのでした。

 

…が、NWAルール規定により

タイトルの移動はなく

カブキの悲願達成とはならなかったのです。

試合を優勢に進め

後一歩まで追い込みながら

世界奪取とならなかったカブキは

フレアーに対し、今度は赤の毒霧を浴びせました。

この年の最後に世界挑戦まで上り詰め

反則とは言え、フレアーに勝利したカブキ


当試合は、世界最強タッグのシリーズ最終戦ということで

メインには抜擢されなかったですが

タイトルの権威やカブキの当時の人気から考えると

通常シリーズ最終戦の蔵前でも

十分、超満員にすることができたかもしれませんね。