「踵骨骨端症」について

今回は、学童期における踵の痛みについて話をさせて頂きます。

 

踵骨の骨端核は女が4~6歳、男が5~9歳で現れ、女が16歳、男が20歳で完全な骨になります。

 

まだ骨になりきっていない小・中学生の時期、力学的に弱い踵の骨突起の部分にスポーツ等で繰り返しの微小外力が加わる事により痛み症状が起こるのであります。

 

この踵骨々突起の炎症は踵骨骨端症と名付けられ、1912年にSever氏が最初に報告した事から、Sever病(英語でシーバー、ドイツ語でセーベル)とも呼ばれています。

 

病因に関しては多くの説があり、統一した見解は得られていないものの、具体的には空手などの裸足での競技、競技種目に不適当な靴(形状や硬さ)、その他に肥満、グラウンドの硬さなどが踵部の傷害発生を助長します。

 

特にサッカーに多く、他には空手、野球、陸上、卓球など全力疾走、急に止まる、方向転換、飛び跳ねるといった、瞬発力が要求される種目によく見られ、男子に圧倒的に多く、両足の場合もあります。

 

症状は踵部後下方(足底)部の圧痛と自発痛で、症状が強い場合は、アキレス腱付着部に軽い腫れもみられます。

 

痛みの程度は、走行時のみの軽いものから痛みのため、つま先立ちでしか歩けないものまでさまざまです。

 

レントゲンでは、骨突起部に分節化等の所見を認めるものの、これだけで異常所見とは判断できず、やはり我々柔道整復師の触診を始めとした徒手検査が重要ではないかと思います。

 

なお経過については、文献に於いても、私の経験に於いても、良好との事で一致しておりますので、踵の痛みがある御子様がおられましたら、いつでも御相談頂きたいと思います。