筋緊張性頭痛

 

季節の変わり目からか、最近外傷患者さんから「頭が痛い」という相談を受けることがよくあります。そこで今回は鍼灸・マッサージ師の観点も含め、頭痛についてお話したいと思います。頭痛には慢性頭痛である片頭痛や群発頭痛など さまざまな種類がありますが、その中で筋緊張性頭痛(*以下、当該頭痛と呼びます)は頭痛患者の7080%と言われているほど多くみられます。当該頭痛は、頭や首、肩の筋肉(後頭筋、側頭筋、僧帽筋等)が過剰に緊張することにより発生し、後頭部や側頭部が非拍動性に締め付けられるものであります。中高年に多く、男女ともにみられ、痛みは起床時か、夕方以降に両側性に発生しますが、痛み自体は鈍いもので、日常生活が困難になるほど強くはありません。ただ症状が悪化していくと 頻繁に発症し、その後は慢性的な頭痛になることがあります。日頃あまり運動をしていない人に多く、現代社会ではPCやスマートフォンの普及に伴い、肩や首に負担が増えたことで、増加傾向にあります。

 


<発生メカニズム>

 

 身体的・精神的ストレスにより、頭部、頚部、肩部の筋肉が過剰に緊張すると、筋肉内の血管が圧迫されて血液の流れが悪くなり、血液循環を改善させるために血管拡張物質が発生するのですが、この血管拡張物質が痛みの原因となると考えられています。

 


<原因>

 

1.身体的なストレス 長時間のデスクワークや車の運転など、前かがみで同じ姿勢を続ける事によって、首や頭の筋肉に負担がかかって血行が悪くなり、頭痛が起こりやすくなります。また高さが合わない枕も首の神経を圧迫し、負担が大きくなります。首の骨や軟骨の異常、首の筋肉の筋力低下、顎関節症などの病気、さらに冷えや貧血や低血圧も筋肉の血流低下をきたしやすく緊張性頭痛の原因となります。

 

2.精神的なストレス 現代社会の問題点として挙げられる人間関係や仕事のプレッシャー、悩みなども頭痛の原因となります。過度なストレスによって、自律神経のコントロールが崩れ、交感神経が優位になって、血管の収縮を引き起こし、症状に発展します。完璧主義傾向な人、几帳面な人、真面目な人で神経質な人に多いといわれています。

 


<症状>

 

1.「ヘルメットをかぶったような圧迫感」「はちまきで 強く締め付けられ

 

るようなギューっとした痛み」などと表現しますが、後頭部や側頭部に締めつ

 

けられるような重苦しい痛み(圧迫感、頭重感)が持続的に発生します。

 

2.朝から晩まで一定の鈍い痛みがだらだら続きます(人によっては月に数回

 

から毎日)

 

3.肩や首のコリ、目の疲れ、めまい、体のだるさを伴います

 

4.体を動かすと痛みが少し軽くなります

 

*もし上記症状が現れた場合は一度御相談下さいませ。また突然激しい頭痛がする場合は大きな病気につながる危険性の高い頭痛もありますので、すぐに医療機関を受診してください。

 

 

 


<予防法>

 

1.温める 入浴や蒸しタオルなどで首の周りを温め、血液の循環をよくすることで、筋緊張を和らげます。

 

2.適度な運動 ストレッチ、適度な運動、散歩、ジョギング、水泳、体操など適度な運動を、無理のない範囲で行います。それに合わせてバランスの良い食事を心がけるとより効果的であります

 

3.姿勢 同じ姿勢を続けないよう、長時間のデスクワークをされる方は適度にに休憩を入れ、体を動かすようにしてください。

 

4.ストレス解消 ストレスを解消するということは、ストレスを自覚して、うまく対応すること。つまり「ストレスをコントロール」することであります。それにはまず自分が抱えているストレスを自覚することが大切で、ストレスの正体や原因を知ることで、ストレスのコントロールに一歩近づくことができます。ストレスをうまく発散させることが、ストレスをコントロールする

 

ということであり、たまってしまうストレスにはしっかり「リラックス」して、あまり考えすぎず、根をつめず、気持ちをリラックス。たとえ仕事中でも、頭に違和感を感じたら、ひと休みしてリラッスできる余裕を持つようにしてください