橈骨遠位端骨折について③


5)転位

背側転位、短縮(騎乗)転位、橈側転位、回外(捻転)転位を呈します。


<症状>

4)変形

遠位骨片の転位のため、骨折部の厚さと幅が増大します。

①背側転位が高度となり、近位骨片に騎乗すると、フォーク状変形を呈します。

②橈側転位が高度となり、遠位橈尺関節が脱臼し、尺骨茎状突起が尺側に突出すると、銃剣状変形を呈します。


6)骨折線の走行

矢状(側)面内では、手関節の1~3センチ近位の掌側からやや斜めに背側近位方向に走ります(*掌側近位から背側遠位へ

前額面(正面)内では、橈側近位から斜めに尺側遠位に走ります(*イメージ的には、尺骨茎状突起に向かって走る


*受傷時の外観像

①急峻な背側の突出 ②なだらかな円形の掌側突出 ③手関節の横径の増大 ④手の橈側転位 

 

*受傷時のX線像

①遠位骨片は短縮転位 ②矢状面で遠位骨片は背側へ転位 ③矢状面で橈側関節面は背側へ向く ④前額面で手根骨及び手は橈側へ変位 ⑤時に尺骨茎状突起骨折を合併